リアリティにはまると作品が内向き《ルビ:マニアック》になる。
- 2021/02/28
- 16:05
「Zガンダム」は重くシリアスな作品です。
キャラクターたちは滅多に笑わず、音楽は重厚、宇宙はいつも暗く深く、放映当時まだ子供だった私は兄の後ろで、ハマーンの目やシロッコの髪型を不気味に感じたのをよく覚えています。
基本的には今でも明るく楽しい作品が好きです。今期なら元祖日常系四天王「のんのんびより」や、個人的に新日常系四天王だと思っている「ゆるきゃん」、もっと萌えに極振りしたところだと「びそくぜんしん」など。
すっかり萌え豚です。可愛いの暴力で脳をとろかされることに生き甲斐を感じているようなものです。みなさんもそうですよね。そうだと思っていました。いえーい。
現実はただでさえツライことでいっぱいなのになんでアニメでまでツライ思いをしなくちゃいけないんだよという哲学は毎期の視聴作品を選ぶ上での重要な判断基準となっています。
話を戻すとそんな萌え中毒な頭でも、去年見たZガンダムは面白かったのです。
ダークでシリアスですが、一話一話の仕掛けや展開はとてもダイナミックなんですね。もちろんキャラクターもそのエネルギーに負けていないからこそ、ものすごく惹きつけられるのですが今回はダイナミックの方のお話です。
「コロニー落とし」や「小惑星落とし」や「一般人がいるコロニーに爆弾を仕掛けた」「一般人がいるコロニーで毒ガスを使う」といった、今から考えるとリアリティに欠けるほどの非人道的な作戦が平気で行われようとするのですが、だからこそ善悪がわかりやすく、話も大きく動いて、シリアスでも面白いのです。(もちろん、そのダイナミックな展開を受け止めて負けないくらい魅力的なキャラクターもあってのことですが)
私もレイセン辺りから薄々感じ始め、結局ヒマワリまで書いて反省を得ましたが、リアリティに凝っても時間ばかりかかってさほど面白さに反映されません。*個人の感想であり、ラノベ業界における一般的な常識、慣例、意見とは関係ありません。
グルメものとかスポーツものとかジャンルによってはまた別ですが、何でもありのファンタジーラノベでは割とどうでもいいと思うようになりました。
拙著で例を上げると、ゼンラーマンって特に理由はなくても皆さん好きですよね?
ただ、そうと気付けても実際そのように書けるかどうかはまた別で、ヒマワリ最終巻が出て以後のこの一年半くらいは、必要以上にリアリティに囚われない、そういった心の壁を取り払っての作品作りに専念していました。今もしています。
設定の整合性なんていらないんです。でも全くないと同じ巻の中でも場面と場面が繋がらなくなってしまう。読者への説得力も本当はいらないはずなんです。でも登場キャラ自身が納得できないようでは行動原理まで失われてしまう。
結局ゼンラーマンだけではお話にはならないのです。商品レベルとなればなおのこと。
ずーっとそんなことを繰り返しているところです。ところですが・・・次にみなさんにお目にかける新作は、ある程度そのような試行錯誤が反映されたものとなっています。
(今回の新刊情報はここまで)
ただ、もし仮にZガンダムのようなダイナミックなお話を書けたとしても、それが現代のラノベ市場からの要求に見合ったものかどうかというのはまた別の話で、自分がなろう出身じゃない時点で「いま求められるラノベってこういうのじゃないんだよね」、と言われるかも知れません。
今期「ぶらどらぶ」という押井守監督のドタバタコメディ作品をやっていて、面白いし可愛いのですが、ノリやネタに昨今のアニメと明らかに違う古さを感じます。しかしそれこそ今の他のどのアニメにもない味わいであり、押井監督にしか作れない唯一無二の証明であり、どうせなら自分もそういうクリエイターになりたいなと考えたりしますがそれはそれとしてYouTubeのオフィシャルサイトで「"マイ" ver.」というオープニングムービーが公開されています。超激烈にカッコイイので見てみてください。
ただし本編はバンドアニメではありません。(あまりのクオリティに私は最初勘違いしました)
本編は主人公の貢が可愛いです。(銀髪ショートの女の子)